特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
1.リボソーム
リボソームタンパク質と翻訳制御
上地 珠代
1
,
剣持 直哉
1
Tamayo Uechi
1
,
Naoya Kenmochi
1
1宮崎大学 フロンティア科学実験総合センター RI分野
pp.362-363
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101315
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真核生物のリボソームタンパク質は約80種類ある。これらはリボソームRNAとともに複雑な高次構造を形成している。ショウジョウバエでは,約8割のリボソームタンパク質(RP)遺伝子がMinuteと呼ばれる変異体の原因になることが確認された1)。この変異体はいずれのRP遺伝子のヘテロ変異でも発育遅滞や剛毛の形成不全など共通の表現型を示す。これは,リボソームタンパク質の変異によって正常に機能するリボソームの数が不足し,個体の成長に必要な因子の翻訳が十分ではないためだと推測された。ところが最近では,リボソームの異常が組織特異的な異常(疾患)の原因になることが示唆されている。
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