Japanese
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解説
ミトコンドリアのリボソームとタンパク合成系
Mithochondrial ribosomes and protein synthesizing system
栗山 義明
1
Yoshiaki Kuriyama
1
1三共株式会社中央研究所細菌部
pp.314-326
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903007
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はじめに
正常なミトコンドリアの形成には細胞内の二つの遺伝情報系──核DNAと細胞質タンパク合成系およびミトコンドリアDNAとそのタンパク合成系──の働きが必要であることが確かになつてきた1〜5)。とくにここ数年,生化学と遺伝学の二つの方向から,ミトコンドリアの機能に必須な要素であるチトクローム酸化酵素9〜13),オリゴマイシン感受性ATPase13)やミトコンドリアリボソーム6〜8)などの生合成におけるミトコンドリアの遺伝情報系の果たす役割が明らかになつてきた。ここではミトコンドリアの生合成の生化学的な研究に話題をしぼり,ミトコンドリアのリボソームを中心とするタンパク合成系とそこで合成されるタンパク質の性質について最近の研究の発展をまとめ,さらにチトクローム酸化酵素やオリゴマイシン感受性ATPaseの生合成における,ミトコンドリアで合成されるタンパク質の役割についても述べてみたい。
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