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あとがき
藤田 道也
pp.592
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101250
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今回の特集はコピー数変異copy number variation(CNV)です。個体のゲノムで1kb以上の領域が一対(2個)より増えたり減ったりする現象です。集団の1%以上に見られる場合にはSNPにならってCNP(コピー数多型)と呼ばれるようです。CNPが注目されるようになったのは確かな報告の行われた2004年以後のことだそうですが,今後この方面の研究の拡大が期待されます。本特集の成立にお力をお貸しいただいた執筆者の先生方に心よりお礼申し上げます。
今年はわが国で大地震,それによる津波,原発事故さらに台風による水害などの大事件が次々と起こりました。世界的に見ても各地で大洪水が起きています。しかも,それらと併進する形で世界を襲っているのが経済不安です。中でもギリシアの財政危機に端を発するEU圏の経済的もろさが露呈するという事態が起こりました。アメリカのドル安と円高が対になって進み,日本経済の先行きも懸念されます。失われた10年が再来するのでしょうか。他方,アフリカ北部のアラブ諸国では長く続いた独裁政権が次々と倒れるという世界史規模の大事件が起こりました。来年以後このような世界情勢がどのような展開を見せるのか目が離せません。「生体の科学」は引き続きがんばっていきますので,ご期待ください。
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