特集 細胞核―構造と機能
3.核骨格
A型ラミン
林 由起子
1
Yukiko Hayashi
1
1国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第一部
pp.404-405
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101187
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核内膜の内側はラミンを主とする核ラミナで覆われている。ラミンには,染色体1q21.1に存在するLMNAにコードされるA型ラミンと染色体5q23のLMNB1,19q13のLMNB2にそれぞれコードされるB型ラミンがある。ラミンは様々な核内タンパク質と結合し,核の形態や大きさを維持するほか,細胞分裂,染色体の構造維持や複製,転写など多彩な機能にかかわっている。
LMNAは12個のエクソンで構成される遺伝子で,スプライシングの違いによって72kDaのラミンAと65kDaのラミンCが主に産生される。ラミンAはまずC末端がファルネシル化,ならびにメチル化されたprelamin Aとなり,ZMPSTE24によって18個のアミノ酸が除かれ,成熟型のラミンAとなる(図A)。ラミンCはこのような修飾は受けない。
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