今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス
ウイルス肝炎の臨床
A型肝炎の臨床と予後
谷川 久一
1
Kyuichi TANIKAWA
1
1久留米大学医学部・第2内科
pp.1518-1520
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217311
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1973年,A型肝炎ウイルス(HAV)が糞便中に発見されてからわずかの間に,同肝炎の疫学,診断法,臨床像,肝組織変化などほとんどのことがわかってきた.本邦では未だ衛生環境が欧米に比べてやや劣ることも原因するのか,本邦の急性肝炎散発例の約20%がA型肝炎といわれ,地域により多少その頻度は異なっているとはいえ,まだまだ私どもの周辺に多い疾患である.ごく最近,この肝炎を発症の初期に容易に診断することができるようになって,臨床像が明らかになるにつれて,初め考えられたほど容易な症例ばかりでないこともわかってきた.
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