看護ミニ事典
インターフェロン(interferon)/A型肝炎
三好 勇夫
1
1岡山大学医学部・第2内科
pp.785-786
発行日 1980年7月1日
Published Date 1980/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919010
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インターフェロンは,ウイルス感染に際して,生体の免疫防御系が働き始める以前に感染細胞から産生され,ウイルスの増殖を防いでくれる分子量約2万の糖蛋白質である.その作用はウイルスを直接攻撃するのではなく,それと接触した細胞をウイルスの増殖を許さない状態(抗ウイルス状態)に変えることにある.この抗ウイルス状態はインターフェロンの産生を誘発したそのウイルスのみならず,他の種々のウイルスの増殖も許さないので,非特異的防衛機構であるといえる.もう1つのインターフェロンの特性は,その作用が種特異的であることである.すなわちヒトに有効なインターフェロンはヒトの細胞で産生される必要があり,マウスなどの細胞で産生されたものはヒトには無効である.
インターフェーロンは1957年IsaacsとLindenmannにより発見され,ウイルス間の干渉(interference)という意味をこめて名付けられた.しかし同様の物質はそれより3年前,東京大学伝染病研究所(当時)の長野泰一教授と小島保彦博士により‘ウイルス抑制因子’として報告されている.
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