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特集 アダプタータンパク
ドッキング蛋白SNT/FRS2とRET受容体
Docking protein SNT/FRS2 and RET receptor tyrosine kinase
黒川 景
1
,
高橋 雅英
1
Kei Kurokawa
1
,
Masahide Takahashi
1
1名古屋大学大学院医学系研究科附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター
pp.159-163
発行日 2004年4月15日
Published Date 2004/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100686
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1 ドッキング蛋白SNT/FRS2の発見の経緯
1993年Rabinらは,PC12細胞において,nerve growth factor(NGF)とfibroblast growth factor(FGF)によってチロシンリン酸化されるが,epidermal growth factor(EGF)やインスリンでリン酸化されない78~90kDaの蛋白を同定した。p34cdc2/cdk2に結合する蛋白であるp13suc1と結合することから,suc-associated neurotrophic factor-induced tyrosine-phosphorylated target(SNT)と名付けられた1)。
1997年Kouharaらは,FGFレセプター(FGFR)からのシグナルが,RAS-MAPKを活性化するのを介在するシグナル分子を同定するため,GRB2と結合し,FGF刺激によってリン酸化される蛋白を精製,一次構造を決定し,FGF recep-tor substrate 2(FRS2)と名付けた。FRS2はNGFでもチロシンリン酸化され,またp13suc1と結合する蛋白がFRS2の抗体で認識されることから,先に報告されたSNTと同一の蛋白であることが明らかとなった2)。
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