Japanese
English
特集 アダプタータンパク
免疫疾患とドッキングタンパクCas-Lの機能
The role of Cas-L in T cell activation and immune-mediated disorders
野村 さや香
1
,
岩田 哲史
1
,
森本 幾夫
1
Sayaka Nomura
1
,
Satoshi Iwata
1
,
Chikao Morimoto
1
1東京大学医科学研究所先端医療研究センター免疫病態分野
pp.146-150
発行日 2004年4月15日
Published Date 2004/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100684
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Cas-L(Crk-associated substrate lymphocyte type:pp105Cas-L)は,T細胞においてβ1インテグリンとリガンドの結合によりチロシンリン酸化される主要なタンパク質としてクローニングされ,p130Casと同様の構造をもった105kDのドッキングタンパクである1)。さらに,その後の解析で,β1インテグリン刺激によるT細胞のサイトカイン産生のシグナル伝達や細胞遊走能の発現のためにCas-Lのチロシンリン酸化が重要であることが示された2,3)。
本稿では,インテグリン下流のシグナル伝達分子のひとつであり,ドッキングタンパクとして様々なタンパク質と結合するCas-Lの働きについて,β1インテグリンを介するT細胞の活性化を中心に,著者らの最新の成果を踏まえて解説する。
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