Japanese
English
特集 脳の深部を探る
恐怖条件付けにおける扁桃体海馬移行領域の役割
Role of the amygdalo-hippocampal transition area in the fear conditioning
藤﨑 美久
1
,
清水 栄司
1
,
橋本 謙二
1
,
伊豫 雅臣
1
Mihisa Fujisaki
1
,
Eiji Shimizu
1
,
Kenji Hashimoto
1
,
Masaomi Iyo
1
1千葉大学大学院医学研究院精神医学講座
pp.590-597
発行日 2004年12月15日
Published Date 2004/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100654
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感情的学習と記憶的学習の第一のモデルとして,嫌悪学習の一つであるパブロフの恐怖条件付けがある。恐怖条件付けは恐怖と不安の動物モデルとして,恐怖や不安に関わる脳部位の同定やその役割の解明,また恐怖や不安の治療法開発など様々な研究に使われている1-3)。恐怖条件付けに携わる代表的な領域としては扁桃体と海馬があるが,その他に中脳中心灰白質,内側前頭前野なども知られている。ところでラット,マウスなどの動物では扁桃体と海馬に挟まれるようにして扁桃体海馬移行領域amygdalo-hippocampal transition area(AHi)が存在するが,その機能については不明な点が多い。今回は恐怖条件付けと上記の領域の役割について概説するとともに,最近われわれが行った,AHi病変ラットと最初期発現遺伝子を用いた研究について紹介し,AHiの司る機能について考察する。
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