特集 生命科学のNew Key Word
12.病気
ネプリライシン―中性エンドペプチダーゼ
岩田 修永
1
,
西道 隆臣
1
Nobuhisa Iwata
1
,
Takaomi Saido
1
1理化学研究所脳科学総合研究センター神経蛋白制御研究チーム
pp.540-541
発行日 2004年10月15日
Published Date 2004/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100641
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ネプリライシン(NEP;EC3.4.24.11)はⅡ型の膜貫通型メタロエンドペプチダーゼで,カルボキシル末端側にZn結合モチーフ(HEXXH配列)を含む活性中心を有し,この触媒部位は細胞外/管腔側に配向する。通常,ホモダイマーを形成して存在する。5kDa以下のペプチドに作用して,疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でペプチド結合の切断を行う1,2)。中性エンドペプチダーゼ24.11,エンケファリナーゼ,白血球分化抗原10(cluster of differentiation, CD10)とも呼ばれる。全身に広く分布するが,特に腎臓の刷子縁に強い発現が認められる。NEP欠損マウスでは異常な病理学的所見は認められていない。
in vitroの実験で確認されている基質としては,エンケファリン,ソマトスタチン,ナトリウム利尿ペプチド,走化性ペプチドformyl-Met-Leu-Phe,ブラジキニン,タキキニン類(サブスタンスP,コレシストキニンなど),ニューロテンシン,ボンベシン様ペプチド,アミロイドβペプチド(Aβ)などがある1-3)。
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