特集 生命科学のNew Key Word
6.アポトーシス
アポトーシス感受性機構
廣川 誠
1
Makoto Hirokawa
1
1秋田大学医学部内科学第三講座(血液内科学分野)
pp.448-449
発行日 2004年10月15日
Published Date 2004/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100601
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アポトーシスは個体の発生および組織の恒常性維持において必須の機構であり,形態学的には細胞の縮小とクロマチンの凝縮,生化学的にはDNAの断片化によって特徴づけられる。このDNAの断片化はaspartate-specific cysteine protease(caspase)の活性化に依存している。アポトーシスは,1)TNF受容体ファミリーとそのリガンドの結合によって開始される細胞死(receptor-dependent)と,2)放射線や化学物質などの細胞へのストレス刺激による細胞死(receptor-independent)の二つがある。これら二つの異なった細胞死シグナルは,最終的にカスパーゼの活性化経路に集約されるが,カスパーゼの活性化に至る経路はミトコンドリアの活性化に依存するものと,依存しないものとがある。カスパーゼカスケードの最終段階ではcaspase-3が活性化され,DNA断片化に直接関わるDNase(CAD/DFF-40)の活性化が起こる。
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