特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
2.分子生物・遺伝学・遺伝子工学
イントロン内在型機能性RNA遺伝子の進化
剣持 直哉
1
Naoya Kenmochi
1
1宮崎大学フロンティア科学実験総合センターRI分野
pp.386-387
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100526
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真核生物の遺伝子の大きな特徴としてイントロン(スプライセオソーム型イントロン)の存在が挙げられる。これらのイントロンはどこからきたのか,なぜ必要なのか,いまだ多くの謎が残されている。筆者らは,リボソームタンパク質遺伝子を用いた解析により,イントロンはミトコンドリアが細胞内共生した後に核ゲノムに出現し,その後一気に拡散した可能性があることを示してきた1)。また,マイクロRNA(miRNA)や核小体低分子RNA(snoRNA)が多数イントロン内にコードされていることから,イントロンは機能性ノンコーディングRNA(ncRNA)のキャリアとして働いており,これを介して,種分化に大きな影響を与えたのではないかと考えるに至った2)。本稿では,イントロン進化の観点からsnoRNA遺伝子の進化について論ずる。
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