特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
酵素および関連物質
クレアチンキナーゼ(CK)とそのアイソザイム
高木 康
1
1昭和大学病院臨床検査部
pp.180-181
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101767
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
クレアチンキナーゼ(CK)はクレアチンとクレアチンリン酸との化学反応を触媒する酵素で,共役するADP→←ATPの変化を介してエネルギー代謝上極めて重要な役割を果たしている.特に筋肉や脳での即時的なエネルギー供給はこの反応系を利用しているため,これら臓器には,多量のCKが存在している.このため,これら臓器が損傷された場合には存在するCKが血中に逸脱するために,血中CK活性が上昇する.したがって,血中CK活性の変動はCKが多量に存在する骨格筋,平滑筋,あるいは脳などの損傷を反映することから,日常的に測定されている.臨床的意義が高い疾患・病態は,心筋梗塞,筋ジストロフィー症などの筋肉疾患,中枢神経疾患であり,筋肉が変性する甲状腺疾患でも臨床的意義は高い.
臨床上の重要性と選択
1. 重要な疾患
心筋梗塞:診断上極めて重要な検査である.
筋ジストロフィー症,骨格筋疾患:骨格筋の損傷や変性を反映するため,診断や経過観察には重要である.
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