特集 自動化臨床検査法
化学
CPK—クレアチンホスホキナーゼ
金井 正光
1
1信州大病院中検
pp.1266-1271
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908293
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血清中クレアチンホスホキナーゼ(Creatine phospho-kinase, CPK)活性は原発性筋疾患,心筋硬塞,甲状腺機能低下症,手術・外傷などにより上昇することが知られ,特に前2者の診断・治療上に重要視されているが,その用手測定法には図1のように各種の方法が考案されている.順反応を利用する場合はクレアチン(C)とATPを基質として生成クレアチンリン酸(CP)またはADPを測定するが,CPの測定には酸水解後モリブデン青として発色させる江橋ら1)の方法があり,ADPの測定にはピルビン酸キナーゼ(PK)系と共軛させ生成するピルビン酸をジニトロフェニルヒドラゾーンとして発色させる方法2)とPK-LDH系と共軛させNADHの減少を測定する紫外部法3)などが発表されている.また逆反応を利用する場合はCPとADPを基質として生成するCまたはATPを定量するが,Cの定量にはdiacetyl-α-naphthol反応を用いる比色法4)とニンヒドリンとの反応により螢光測定する方法5,6)があり,またATPの測定にはhexokinase-Glucose-6-phosphate dehydrogenase (HK-G-6-PD)系と共軛させ,NADPHの生成を測定する紫外部法7,8)などが考案されている.
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