特集 タンパク質間相互作用
13.細胞内タンパク輸送
シナプスにおける機能的変形とPMES-2・アクチン相互作用
田口 隆久
1
Takahisa Taguchi
1
1産業技術総合研究所セルエンジニアリング研究部門
pp.452-453
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100105
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●入力特異性を支える分子機構
神経回路網動態解析には特異的入力に依存した微細な機能的形態変化の分子機構を探る必要がある。意味のある情報処理を行うには入力のあったシナプス部位のみが可塑的に変化する必要があり,その場所でのみプールされていた分子や新たに合成された蛋白質がシナプス部位に組み込まれ(あるいは取り除かれ)シナプス機能が変化する。われわれはこの機構における蛋白質局所合成に注目し,局所合成される蛋白質を二つ見出した。PMES-1はフェリチンH鎖1)であり,神経細胞の神経突起内での合成の直接観察にも成功し,そのシナプスでの役割も推定した(投稿準備中)。もう一方のPMES-2は分子量31Kの蛋白質であり,この蛋白質が神経活動依存的にシナプス動態に関与する可能性を示した2,3)。PMESはa protein of which mRNA is enriched in synaptosomesの略である。
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