特集 モチーフ・ドメインリスト
6.細胞骨格
アクチン結合ドメイン
木村 彰方
1
Akinori Kimura
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所分子病態分野
pp.480-481
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902341
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アクチンは真核生物の進化上最もよく保存されたタンパクであり,多数のアイソフォームが存在する。すなわち,アクチンはタンパクとして進化上かなり起源が古く,かつ遺伝子重複によって多種多彩な役割を獲得したものと考えられ,このためアクチンと結合するタンパクはファミリーを構成し,それらに共通のアクチン結合モチーフが存在する1)。また,アクチン自体もモノマーとして存在すること(G-actin)と同時にポリマーを形成する(F-actin)ことからもわかるように,自分自身にも結合する。これらのアクチン結合モチーフは以下に述べる数種に分類されるが,そのモチーフ構造は,ファミリーが異なればアミノ酸配列はもとより,高次構造上の類似性さえない1)。このように,アクチン結合ドメイン(actin-bindingdomain;ABD)は単一のグループとして考えられるものではないため,以下には各々のファミリーごとに特徴的な構造を概説する。
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