特集 タンパク質間相互作用
4.方法・技術
タンパク質間相互作用強度の計算機による予測法
林田 守広
1
,
阿久津 達也
1
Morihiro Hayashida
1
,
Tatsuya Akutsu
1
1京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター
pp.374-378
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100069
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本稿では,タンパク質間相互作用の強度を生物学的な実験によって求めるのではなく,計算機などを使って情報学的に予測する手法をいくつか紹介する。これらの手法は相互作用があるかないかを予測する手法からの拡張として導かれるので,はじめに相互作用の有無を予測する手法について解説する。
タンパク質間相互作用を予測する手法としては,電磁気学的な性質から導かれるポテンシャルエネルギーの最小化に基づく分子動力学法を使う方法があるが,この計算には多大な計算機資源を必要とする。ある特定のタンパク質ペアについては実行可能かもしれないが,多数のタンパク質中から総当たりで相互作用するタンパク質ペアを探すといった目的には現実的でない。また必ずしも精度も高くないため,タンパク質の立体構造を直接的に使わないアプローチも研究されている。
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