特集 タンパク質間相互作用
1.総論
計算科学によるタンパク質間相互作用解析
竹田-志鷹 真由子
1
,
寺師 玄記
1
,
梅山 秀明
1
Mayuko Takeda-Shitaka
1
,
Genki Terashi
1
,
Hideaki Umeyama
1
1北里大学薬学部生物分子設計学
pp.338-341
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100058
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タンパク質立体構造情報データベースであるProtein Data Bank(PDB;http://www.rcsb.org/pdb)に登録されているタンパク質立体構造の数は急速に増加しており(2004年4,857件,2005年5,058件,2006年6,120件),現在41,000件を超えている。一方,タンパク質の機能を理解する上で重要なタンパク質複合体の立体構造情報は,実験そのものの困難さや,複合体を形成する相互作用の組み合わせが膨大になることもあり,網羅的に実験構造を得ることは困難である。そこで,タンパク質間相互作用の研究において,コンピューターを用いてタンパク質複合体の立体構造を予測するドッキング解析(protein-protein docking)は非常に有効である。本稿では,まず筆者らが開発したドッキング解析プログラムSKE-DOCK1)の基本的なアルゴリズムを紹介し,ドッキング解析の基本的な方法と精度について説明する。次に,タンパク質相互作用予測の国際コンテストCAPRI(Critical Assessment of PRediction of Interactions)2)について紹介し,ドッキング解析の現状と展望を述べる。
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