特集 タンパク質間相互作用
11.細胞接着
インテグリンを中心としたタンパク質間相互作用
佐藤(西内) 涼子
1
,
関口 清俊
1
Ryoko Sato-Nishiuchi
1
,
Kiyotoshi Sekiguchi
1
1大阪大学蛋白質研究所細胞外マトリックス研究室
pp.426-427
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100092
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多細胞動物を構成する細胞は,細胞外の非細胞性構造物である細胞外マトリックスと接着していなければ生存できない“足場依存性”という性質を示す。この細胞と細胞外マトリックスとの結合を仲介する受容体蛋白質の一つがインテグリンである。インテグリンはα鎖とβ鎖からなるヘテロ二量体蛋白質で,細胞外領域で細胞外マトリックス蛋白質と結合する一方,細胞内領域ではテーリン,α-アクチニンなどを介して細胞骨格系と結合しており,細胞膜を挟む外側と内側の骨格構造を物理的・機能的に連結する役割を担う。
インテグリンは結合する相手により,Arg-Gly-Asp(RGD)配列を認識するRGD結合型,ラミニン結合型,コラーゲン結合型に大別される。現在までに24種類のインテグリンが同定されているが,その中のインテグリンα3β1・α6β1・α6β4・α7β1がラミニンと結合するラミニン結合型インテグリンである。ここでは,基底膜の主要な細胞接着分子であるラミニンとその受容体であるラミニン結合型インテグリンに話を絞って,最近の知見を紹介する。
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