特集 タンパク質間相互作用
5.遺伝情報の発現
タンパク質間相互作用ネットワーク情報による転写機構の解明
榊原 康文
1
,
長嶺 誠香
1
Yasubumi Sakakibara
1
,
Nobuyoshi Nagamine
1
1慶應義塾大学理工学部生命情報科
pp.388-390
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100074
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生命現象はいくつもの事象が相互に複雑に絡みあって成立している。一つの生命現象を簡潔なモデルを用いて表現可能な一方で,複雑なシステムとして捉える必要性がある。例えば,生命現象の一つである転写制御は,最も単純には一つの転写因子(transcription factor;TF)とそれが結合するプロモーター配列の関係としてとらえられてきた。しかしながら近年,非コードRNA(non-coding RNA;ncRNA)が転写制御に大きく関与している可能性などが示唆されている1)。
ヒトを代表とする高等生物の複雑な転写制御を実現するもう一つのメカニズムとして,協調的転写制御の存在が挙げられる。本稿では,この協調的転写制御を通して,タンパク質間相互作用と転写制御という,二つの異なる生命現象の関係性について述べる。
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