特集 タンパク質間相互作用
3.構造・機能
大きなタンパク分子間の相互作用
小原 收
1
Osamu Ohara
1
1かずさDNA研究所ヒトゲノム研究部
pp.357-359
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100064
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ゲノム構造が明らかになることへのタンパク研究者の大きな期待の一つは,それぞれの生物に存在する全タンパク質のカタログが得られることであった。ヒトのゲノム塩基配列が明らかとなった今,こうした静的なプロテオームの情報を基礎として,いかにして生命現象をプロテオームの動的性質として把握するかが現在のタンパク質研究者の大きな課題である。そのため,プロテオームという言葉も「ある条件下のある細胞・組織・サンプルに存在するタンパク質の総体」という意味でより多く用いられるように変わってきているのである。このプロテオームの動的性質の根幹を規定するのが,タンパク質間相互作用である。本稿では,われわれが今まで注目し研究を行ってきたサイズの大きなタンパク質に注目して,その生物学的な意味や分子間相互作用の特徴などについてプロテオームの観点から議論してみたい。
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