特集 攻めの安全処方術—引き算処方+多面的アプローチ
【コラム 医療政策の視点からのsafe prescribing】
❷AWaRe分類
松永 展明
1
1国立国際医療研究センター AMR臨床リファレンスセンター
pp.1140-1141
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350101140
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薬剤耐性(antimicrobial resistance : AMR)対策の柱の1つが、抗菌薬の適正使用である。世界保健機関(WHO)が提唱するAWaRe分類は、その実現を支援するツールとして国際的に導入が進められており、日本でも診療報酬やサーベイランス制度と連動する形で活用が始まっている1)。
AWaRe分類は、抗菌薬をAccess・Watch・Reserveの3群に分類する。Access群は、安全性・有効性・価格の観点から第一選択として推奨される薬剤群であり、代替薬も比較的豊富で耐性化の影響が小さい。一方、Watch群やReserve群は、耐性化による影響が大きく、治療選択肢が限られることから、慎重な使用管理が求められる。特にReserve群は“最後の砦”と位置づけられ、不必要な使用を極力避ける必要がある。それぞれに分類される抗菌薬を図示する(図1)1)。
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