特集 シマから学ぶ、プライマリ・ケアの未来—いざ、素晴らしき離島医療の世界へ
【離島医療を支える新しい形】
【コラム❷】鹿児島大学の離島医療教育について
大脇 哲洋
1,2
1鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 地域医療学分野
2離島へき地医療人育成センター
pp.675-676
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350060675
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鹿児島県は南北に600kmの県土を有し(日本列島の1/5)、最北端は獅子島、最南端は与論島とどちらも離島です。その他の有人離島として、本土の北の有明海内、西の甑島列島、南の種子島、屋久島、馬毛島、口永良部島、三島村3島、十島村7島、南の奄美群島があり、合わせて約15万人が暮らしています。特徴としては県本土から沖縄本島まで島が点在し、孤立している島が多いことが挙げられます。
地域医療の定義は難しく、「地域」をどう捉えるか、発言者の立場により変わります。県全体か、限られた地区か、人口の少ない地域か、田舎か。私たち鹿児島大学離島へき地医療人育成センターは「地域」とは、「生活する領域、基本的社会システム」と考えており、住民を取り巻く自然環境、生活環境、社会情勢、住宅環境、医療環境、地域文化、自治体の情報や方針、インフラなどの要素が含まれます。そこで行われる医療が地域医療であり、上記に住民の隣人関係、家族環境、仕事、趣味、経済状況、健康状態などが加わります。
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