特集 薬物治療の質向上
Part 3 薬物治療の質向上のために必要なスキルおよび考え方
12.ポリファーマシー—減薬の方法と注意点
中込 哲
1
Satoshi NAKAGOMI
1
1山梨大学医学部附属病院 薬剤部
pp.371-378
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120020371
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ポリファーマシーは,しばしば「多剤服用」と誤解されるが,厚生労働省の「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」1)においては,「単に服用する薬剤数が多いことではなく,それに関連して薬物有害事象のリスク増加,服薬過誤,服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態である」とされている。つまり,ポリファーマシーとは,多剤服用のなかで害(潜在的なものも含む)をなすものを指し,昨今の医療現場においては盛んに問題提起されている。
なお,令和2年度診療報酬改定では,ポリファーマシー対策関連の報酬体系が変更となり,多剤服用患者の処方内容の総合的な評価と適正化を促している。
本稿では,ポリファーマシーの解消のための処方内容の評価方法や減薬方法・その注意点について解説する。

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