特集 薬物治療の質向上
Part 1 薬物治療の質を語るうえで知っておきたい知識と実践例
【コラム①】医療安全の専従薬剤師や薬剤部門の管理職と薬物療法の質向上—病院機能における重要な視点に関与する
川名 賢一郎
1
Kawana, Ken-ichiro
1
1聖路加国際病院QIセンター/薬剤部
pp.242-245
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120020242
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病院薬剤師は,調剤室での外来処方や入院処方の調剤業務に追われ,病棟やカンファレンスでその姿を見かけることが少ないといわれてきた。しかし,2012年の診療報酬改定で,病棟薬剤業務実施加算が算定可能になったこともあり,病棟に薬剤師が配置されるようになってきた。現在,多くの病院薬剤師が入院中の患者に服薬指導を行い,医師,看護師などの病棟スタッフとともに積極的に患者の薬物治療管理に取り組んでいる。さらに薬剤師の配置は,病棟だけでなくオンコロジー領域や周術期領域の業務にも拡充され,活動の場が広がっている。また,2016年の医療法施行規則の改正で,特定機能病院における医療安全管理部門での専従薬剤師の配置が原則義務化され,活躍の場はさらに多様となった。
筆者は,現在は医療安全管理室の専従薬剤師として,またこれまでに薬剤部管理者側の立場で業務に従事してきた。本稿では,これらの経験をもとに,薬剤師の医療の質や医療安全へのかかわりについて述べたい。

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