病院運営の変化 ここ10年余病院はどう変わったか
薬剤部門の変化—自治体病院における薬剤管理を中心として
田知花 康二
1
Koji TACHIBANA
1
1新潟県立中央病院薬剤部
pp.254-257
発行日 1985年3月1日
Published Date 1985/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208550
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1961年の国民皆保険の実施を契機にわが国の医療は社会福祉的思想の導入と共に大きな変容を遂げた.更に,国家経済の高度成長に支えられ,国民の健康意識の向上に伴う有病率の上昇と受療率の飛躍的な増大は医療機関の整備拡充を促した.一方30年代初期の新薬の続出は,その後の製薬企業の研究開発分野での競合,あるいは製剤技術の発達をもたらし(表現の当否は別として今日言われる"薬づけ"の萌芽であったのかもしれない)薬物療法はめざましい発展を遂げた.
薬剤部門の業務もまたこれらの変動と密接な相関性があることはいうまでもない.増大する業務量の処理能力の強化と併せて労働集約的調剤行為から薬物療法の複雑化に伴う医薬品の有効性,安全性に関する多角的な専門知識の活用による知識集約型調剤へと質量両面にわたる変化はまさに隔世の感がある.
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