特集 薬物治療の質向上
Part 1 薬物治療の質を語るうえで知っておきたい知識と実践例
2.—薬物治療の質担保のために医師と薬剤師はどのように協働できるか—Case 3:診療科配属の薬剤師との協働
永倉 史子
1
,
小坂 鎮太郎
1
Ayako NAGAKURA
1
,
Shintaro KOSAKA
1
1東京都立広尾病院 病院総合診療科
pp.227-231
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120020227
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日本では診療報酬上の算定要件から,病院薬剤師の臨床業務は主に病棟単位で行われている。病棟担当薬剤師の業務は,臨床業務だけでなく,病棟の医薬品管理,配薬や持参薬管理,医薬品の情報提供など多岐にわたり,調剤や抗がん薬・中心静脈栄養(TPN*1)のミキシングなどの中央部門や外来指導を兼務している場合もある。そのような状況下で,病棟内の各科の医師それぞれと緊密なコミュニケーションをとることは難しく,患者個々の薬物治療の質の向上に主体的に関与するには限界がある。
東京都立広尾病院では,患者のQOL向上とタスクシフトを目的として,病棟担当薬剤師のほかに診療科に薬剤師を配置している。本稿では,薬剤師が主体的に薬物治療の質と安全の向上にどう関与できるのかを紹介する。

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