特集 薬物治療の質向上
Part 1 薬物治療の質を語るうえで知っておきたい知識と実践例
2.—薬物治療の質担保のために医師と薬剤師はどのように協働できるか—Case 2:回復期リハビリテーションにおける協働
松本 彩加
1
,
吉村 芳弘
1
Matsumoto, Ayaka
1
,
Yoshimura, Yoshihiro
1
1熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・低栄養研究センター
pp.221-225
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120020221
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超高齢社会の日本では,回復期リハビリテーション病棟(臨床メモ)の入院患者において,機能・活動・参加といった生活機能の低下を認めるフレイル高齢者や障害者が増加している。生活機能低下のリスク因子として,身体機能の低下,疾患による動作障害,認知機能低下などに加えて,薬剤が原因となることも少なくない。一方で,薬剤調整により生活機能が改善する症例も,臨床で数多く経験する。そのため,回復期リハビリテーションにおいては,生活機能低下の要因となり得る薬剤の評価やモニタリングを行い,必要時は処方の見直しを検討しなければならない。もちろん,薬剤以外の生活機能低下のリスク因子を把握しておかなければ,そもそも薬剤管理は難しい。これは薬剤師だけの業務では決してなく,普段から患者のそばでリハビリテーションを行う多職種が全員で取り組むべき日常業務である。
本稿では,回復期リハビリテーションにおける医師と薬剤師の協働について紹介する。

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