特集 心原性ショック診療:エビデンスに基づく最適化への挑戦
【コラム】弁膜症症例における血管拡張薬とカテコールアミンの使い分け—時間を稼ぐための内科的治療を検討する
三反田 拓志
1,2,3
Takushi SANTANDA
1,2,3
1済生会中央病院 救急診療科
2武蔵野赤十字病院 救命救急センター
3榊原記念病院 心臓外科
キーワード:
大動脈弁狭窄症
,
僧帽弁逆流症
,
血管拡張薬
,
カテコールアミン
,
前負荷管理
Keyword:
大動脈弁狭窄症
,
僧帽弁逆流症
,
血管拡張薬
,
カテコールアミン
,
前負荷管理
pp.394-397
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170030394
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はじめに
本邦において心血管系が原因で発生したショックのうち,弁膜症が原因であるものは1.4%(14/979例)と頻度は低い1)。ところが問題は,心原性ショックcardiogenic shock(CS)を対象にした臨床試験では重症の弁膜症患者を除外している試験がほとんどであり,ショックへの内科的治療について,明確なエビデンスがないことである。そのため,実臨床では,病態生理と臨床医の経験に基づく判断が求められる。
本コラムでは,弁膜症による心原性ショックのうち,遭遇頻度の高い「重症大動脈弁狭窄症」と「急性僧帽弁機能不全」に焦点を当て,病態生理および臨床経験に基づく内科的治療(血管拡張薬,カテコールアミン,前負荷管理)について述べる。

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