特集 ICUにおける抗菌薬:new era strategy
⓫ 抗菌薬の有害事象—安全な抗菌薬治療を実現するために留意するポイントとは?
大久保 綾香
1
,
中薗 健一
1
Ayaka OKUBO
1
,
Kenichi NAKAZONO
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 薬剤部
キーワード:
抗菌薬の有害事象
,
抗菌薬関連脳症
,
薬剤性腎障害
,
DIHS/DRESS
Keyword:
抗菌薬の有害事象
,
抗菌薬関連脳症
,
薬剤性腎障害
,
DIHS/DRESS
pp.273-288
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170020273
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はじめに
抗菌薬は,感染症の治癒や患者の予後改善に大きく貢献してきた。抗菌薬が感染部位で抗菌力を発揮するためには,体内に吸収され,感染臓器へ移行する必要がある。したがって,抗菌薬のターゲットが原因微生物であっても,体内で分布し薬理作用を発揮する以上,臓器への影響(有害事象)は免れない。本稿では,抗菌薬に関連した有害事象のなかでも,特に抗菌薬関連脳症antibiotic-associated encephalopathy(AAE),腎障害,薬剤性過敏症症候群〔drug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS)/drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms(DRESS)〕を取り上げ,有害事象の特徴や留意するポイントについて考察する。

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