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抄録
【目的】ドメスティック・バイオレンスを受けている妊産婦に対する助産師の認識と支援への影響を明らかにすることである。
【対象と方法】病院・クリニックの医療機関においてDV被害を受けている妊産婦と関わった経験のある助産師13名を対象に半構造化面接を行った。質的記述的デザインを用いた。
【結果】研究協力者のインタビューの内容から、関わった事例の妊産婦に対してどのような印象を持ち、どうとらえたか、語りを分析した結果、105のコードから8つのサブカテゴリー、3つのカテゴリーを抽出した。DVを受けている妊産婦に対する助産師の認識として、【DV被害妊産婦への偏った認識】のカテゴリーは、《被害妊産婦の気質・行動特性のとらえ方》《パートナーとの関係性》《外見上の印象》の3つのサブカテゴリー、【DVの判断の難しさ】のカテゴリーは、《DVの存在を察知する難しさ》と《DVを疑った後の対応への戸惑い》の2つのサブカテゴリー、【支援スキルへの不安】は、《自分の対応への不安》《支援の難しさ》《感情の揺らぎ》の3つのサブカテゴリーから構成されていた。
【考察】助産師は関わった被害女性のケア経験やDVを疑った事例を通して、一種の被害者像を持っており、認識が一面的で偏りも見受けられた。このことがDVの適切なアセスメントにつながらず、結局、DVは男女間、夫婦間の個人的な問題という見方になり、被害妊産婦への理解が深まりにくいと考えられる。経験だけの認識にとらわれるとDVの見落としにつながり、判断の迷いや支援の不安を強めてしまう可能性がある。
【結論】助産師は、それまでに関わった経験を通して一種の被害者像をもち、DV被害妊産婦に対してステレオタイプな見方をしていた。このような認識が先行し、DV支援に不安や戸惑いが生じ、自身の感情が揺さぶられる経験をしていた。DVに関する知識や支援スキルに関する助産師教育、DV問題に精通した専門家や相談部署など施設内におけるサポート体制の必要性が示唆された。
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