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抄録
【目的】冷え症の妊婦に変化をもたらす助産所助産師の技を明らかにする。 【対象と方法】助産所で妊婦健康診査(以下、妊健)を受診した冷え症の妊婦5名の健診場面を参加観察した。そのうち2名は連続し観察した。参加観察後、妊健を行った助産経験15年以上の助産師2名に半構成的面接法を用いてインタビューした。データはLeiningerの分析方法を参考に質的に分析した。
【結果】助産師は【冷えを気づかせる技】【冷え症のケアをやる気にさせる技】の2つの技を駆使し、妊婦が冷え症のケアを日常生活に取り入れられるように関わっていた。
【結論】冷え症の妊婦に変化をもたらす助産所助産師の技は、【冷えを気づかせる技】【冷え症のケアをやる気にさせる技】が導き出された。【冷えを気づかせる技】に含まれるサブカテゴリーは〔妊婦の温かい胸部と冷たい腹部に、妊婦の手で触れさせる〕、〔助産師の温かい手で妊婦の背部を温め、背部の冷たさを体感させる〕であり、助産師は妊婦の知覚にアプローチし、冷えを気づかせていた。【冷え症のケアをやる気にさせる技】に含まれるサブカテゴリーは、〔冷えている腰部を棒灸で温め、気持ち良くやる気にさせる〕〔温める効果を実感させ、自ら温めようとさせる〕であり、助産師は温めることで妊婦の心地よさを満たし、冷え症のケアをやる気へと導いていた。〔腹部を温めて胎児の変化を示し、腹部を温めたいと思わせる〕〔胎児からのメッセージを伝え、母親としての役割に気づかせる〕では、助産師は胎児の代弁者となることで妊婦が胎児に意識を向け、冷え症のケアをやる気にさせていたことが明らかになった。冷え症の妊婦に変化をもたらす助産師の関わりでは、手で触れて冷えを気づかせる、温めて身体を心地よくする、胎児に意識を向けさせることの重要性が示唆された。
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