Japanese
English
教育講座
リハビリテーション医療に求められる包括的排尿管理
Comprehensive Urinary Management for the Rehabilitation Medicine
補永 薫
1
Kaoru Honaga
1
1順天堂大学大学院医学研究科リハビリテーション医学
キーワード:
神経因性膀胱
,
排尿日誌
,
尿流動態検査
,
括約筋排尿筋協調不全
,
多職種連携
Keyword:
神経因性膀胱
,
排尿日誌
,
尿流動態検査
,
括約筋排尿筋協調不全
,
多職種連携
pp.1096-1101
発行日 2024年11月18日
Published Date 2024/11/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
適切な排尿管理を確立することは日常生活動作の安定という観点はもちろんのこと,医学的,社会経済学的な観点からも大きな意味をもつ.排尿障害は医学的には褥瘡の形成・悪化をきたし,尿路感染症・敗血症・腎不全をもたらし得る.また,自立心の低下をもたらし,社会活動の制限となる.おむつ代が医療経済的に負担となることも問題である.排尿障害は認知症・骨折とともに施設入所・入院の大きな原因となる1).リハビリテーション医療においても,排尿の自立は日常生活における単なる排泄行為としての意味を超えて,二次的にリハビリテーション治療に対する意欲や社会参加にも影響を及ぼす.また,排泄行為にかかわる介助は介護者が感じる介護負担感の第1位となっており,その自立の可否が自宅退院への決定因子となることも多い.排尿管理とリハビリテーション医療とは切っても切れない関係にあり,リハビリテーション治療計画では排尿障害を適切に評価したうえで包括的なアプローチを考えていくことが重要である.
本稿では,リハビリテーション医療で求められる排尿管理に関して概説をする.

Copyright © 2024, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.

