Japanese
English
特集 排尿障害
脳卒中患者の排尿管理
Urological Management of Patients with Cerebral Vascular Accidents.
土田 正義
1
,
能登 宏光
1
,
原田 忠
1
Seigi Tsuchida
1
,
Hiromitsu Noto
1
,
Tadashi Harada
1
1秋田大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, Akita University, School of Medicine.
キーワード:
脳血管障害
,
神経因性膀胱
,
排尿管理
Keyword:
脳血管障害
,
神経因性膀胱
,
排尿管理
pp.1077-1082
発行日 1982年12月10日
Published Date 1982/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104867
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はじめに
脳卒中患者における排尿障害や尿路管理に関する報告は,脊損患者のそれと比べて極めて少ない.ところが,脳血管障害患者における泌尿器科的問題は意外に多く1),尿失禁,排尿困難および頻尿などの排尿障害は,リハビリテーションの予後とも関係が深い2-6).
それにもかかわらず,これまでこの問題に関心が少なかった原因のひとつとして,脳卒中患者自身があまり排尿異常を訴えないことに加え,高齢者に多いこともあり周囲の諦めも手伝って,泌尿器科を受診する機会が少なかったことが挙げられるが,泌尿器科側にも反省すべき点があった.それは脳血管障害に伴う神経因性膀胱の病態が複雑なことから,その病態の把握と排尿管理への対応が不十分であったことである.
しかし,排尿生理学の進歩に伴い,排尿障害を尿水力学的な面から捉え,脳病変との関係を検討する試みも行われている7-10).(泌尿器科領域では,排尿動態を神経生理および流体力学的に捉えることを,尿水力学と称している).そこで本稿では,脳卒中患者の排尿障害パターンを,脳障害部位との関係から明らかにするとともに,排尿管理について述べる.
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