Japanese
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教育講座
CI療法を通して知る回復の原理
Understanding the Mechanism of Recovery from Brain Injury through Constraint-induced Movement Therapy
道免 和久
1
Kazuhisa Domen
1
1兵庫医科大学医学部リハビリテーション医学講座
キーワード:
CI療法
,
ニューロリハビリテーション
,
脳可塑性
,
脳卒中
,
脳損傷
Keyword:
CI療法
,
ニューロリハビリテーション
,
脳可塑性
,
脳卒中
,
脳損傷
pp.1075-1083
発行日 2024年11月18日
Published Date 2024/11/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
Constraint-induced movement therapy(CI療法)が考案されてから四半世紀以上になる.以来数多くのrandomized controlled trial(RCT)でその効果が実証され,各国各種ガイドラインでも麻痺側上肢の治療としてグレードAの高い推奨レベルとなっている.
われわれは2002年から日本の実情にあった形で臨床応用を進めてきた1)が,次第に全国に広まり,今や脳卒中の上肢麻痺に対する標準的治療になりつつある.当初指摘されていた「対象が軽症麻痺のみ」や「単純動作の繰り返し」,さらには「単なるスパルタ訓練」などの批判が誤解であったことも,実際に治療を経験するにつれて広く臨床家に理解されるようになった.そして,脳卒中治療ガイドライン20212)では「軽度から中等度の上肢麻痺に対しては,麻痺側上肢を強制使用させる訓練など特定の動作の反復を含む訓練を行うよう勧められる」とされ,高い推奨レベル(グレードA)となっている.
CI療法は「運動学習療法」と言い換えることができるほど,その方法論は運動学習理論に根ざしている.本稿ではCI療法による回復のメカニズムについて,運動学習理論による解釈を解説するとともに,最近の基礎研究で明らかになった知見を紹介する.

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