Close-up パラリンピックブレイン
パラアスリートにみるヒト脳の適応可能性—理学療法士の立場で考える
中西 智也
1
Tomoya NAKANISHI
1
1NTTデータ経営研究所ニューロイノベーションユニット
キーワード:
ニューロリハビリテーション
,
脳可塑性
,
パラスポーツ
,
感覚遮断
Keyword:
ニューロリハビリテーション
,
脳可塑性
,
パラスポーツ
,
感覚遮断
pp.81-86
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202917
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はじめに—ヒト脳適応可能性は未知なるままである
障害からの機能回復を実現するためには,残存した脳領域や経路の可塑性を最大限に発揮させ,新たな神経ネットワークを再構築する必要がある.しかし,どの経路がどの程度可塑性を有し,かつ後天的に新しい機能を獲得し得るかは,実は一部しか明らかになっていない.すなわち,障害後にどのような神経ネットワークを再構築すれば,最大限の機能回復が実現できるかという神経学的な根拠,およびその方法論は依然,学術的に確立していないのが現状である.ニューロリハビリテーションの理論は発展してきたものの,まだ序章に過ぎない.本稿では,実際の脳損傷者やパラアスリートの脳画像データをもとに,脳適応の多様性と研究の現在地,今後の展望について述べる.
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