1 日本版重症患者リハビリテーション診療ガイドライン（J-ReCIP 2023）の概要と今後の展望

Japanese Clinical Practice Guidelines for Rehabilitation in Critically Ill Patients 2023（J-ReCIP 2023） : Overview and Future Perspectives

要旨　生命を救う集中治療医学と活動を育むリハビリテーション医学は，より有効に共同して機能する必要がある．近年では，急性期重症患者に対する早期離床も当然のように推進されているが，具体的な指針は十分とはいえなかった．このような背景から，この日本版重症患者リハビリテーション診療ガイドライン（J-ReCIP 2023）は誕生した．J-ReCIP 2023では14のclinical question（CQ）についてsystematic reviewを実施し，多くの前景疑問に対して臨床的意思決定に重要な推奨とその確実性を示している．扱う病態の特性上どうしても推奨や確実性は低く見積もられるものの，この指針の存在により，臨床場面で “考察すべきリハビリテーション診療” に気づきやすくなるという意義は大きいと考える．