2 ICU-acquired weaknessの評価と治療

The Evaluation and Treatment of ICU-acquired Weakness

要旨　Intensive care unit-acquired weakness（ICU-AW：ICU獲得筋力低下）とは，原疾患に関係しない左右対称性のびまん性の筋力低下を特徴とし，ICUに入室する重症患者の30〜80％に認められる．従来，ICU-AWの診断には2009年のStevensらの基準が用いられ，予防には早期リハビリテーションが有用とされてきた．近年ではICU-AWの診断には超音波検査が，予防には神経筋電気刺激療法が有用として注目を集めている．超音波による筋肉の定量的，定性的検査でICU-AWの診断が可能であると報告されている．一方，最新のメタアナリシスでは神経筋電気刺激療法はICU-AWを有意に減らすと報告されている（相対リスク：0.48［95％ CI：0.32〜0.72］）．そのため，超音波を用いたICU-AWの診断や神経筋電気刺激療法の使用方法について理解する必要がある．