焦点
新薬(非定型抗精神病薬)への切り替え方―共同作業で行なう多剤併用大量療法からの処方変更
吉尾 隆
1
1桜ヶ丘記念病院
pp.58-63
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900710
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ここ数年,我が国の統合失調症における薬物療法は,新しい抗精神病薬(非定型抗精神病薬)の登場により変化しつつある。従来型の抗精神病薬(定型抗精神病薬)による多剤併用大量療法は,多くの副作用を引き起こし,薬原性錐体外路症状や過鎮静は統合失調症患者のQOLを著しく阻害し,その結果,リハビリテーション等の社会復帰プログラムの効率を低下させる結果となっている。このような状況から,現在,非定型抗精神病薬の単剤処方による副作用の少ない薬物療法が求められている。
しかし,我が国における非定型抗精神病薬の処方率は未だ低く,約20%程度といわれている。もちろん,非定型抗精神病薬にも体重増加や脂質代謝,糖尿病への悪影響といった注意すべき副作用は存在し,その使用に当たっては十分な注意が必要である。
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