Japanese
English
特集 精神科治療の奏効機序
[精神分裂病の治療]
定型的抗精神病薬
Mechanism of Therapeutic Effect of Typical Antipsychotic Drugs
倉知 正佳
1
,
鈴木 道雄
1
,
柴田 良子
1
,
谷井 靖之
1
Masayoshi KURACHI
1
,
Michio SUZUKI
1
,
Ryoko SHIBATA
1
,
Yasuyuki TANII
1
1富山医科薬科大学医学部精神神経医学
1Department of Neuropsychiatry, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
Mechanism
,
Therapeutic effect
,
Typical antipsychotics
Keyword:
Mechanism
,
Therapeutic effect
,
Typical antipsychotics
pp.6-10
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903579
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■はじめに
定型的抗精神病薬とは,クロールプロマジンやハロペリドールなど従来から用いられている抗精神病薬のことで,これらに共通する特徴として,①薬理学的にドパミン(DA)受容体遮断作用があり,②幻覚,妄想,自我障害などのいわゆる陽性症状には奏効するが,自発性欠如や感情鈍麻などの陰性症状への効果は乏しいことが挙げられる(Crow,1980)。
これらの薬物の奏効機序として問題になるのは,①脳内のどのDA系への作用が治療効果に関連するかということと,②DA受容体遮断を通じて,その機能状態に変化がもたらされる,主に陽性症状に関連する神経回路12)はどこかということである。これらの問題を解明していくためには,DAニューロンだけでなく,後シナプスのニューロンや脳各領域の機能変化,さらに患者での所見も考慮した検討が必要と思われる。そこで,ここでは,このような観点から主な所見を概観することにしたい。
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