連載 ラインナウからの手紙4
“「甘え」の文化”はどこまで普遍的か?
伊藤 賀永
1
,
武井 麻子
2
1ラインナウ精神病院
2日本赤十字看護大学
pp.54-60
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900676
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伊藤賀永から 武井麻子さまへ
前回の手紙で,スイスの精神科医療を例にとって,どの国もその国なりに他と違ったところがあるという話を書きました。今日はちょっと矛盾しているように聞こえるかもしれませんが,その反面,思いも寄らないところで共通なものがあるという話を書きたいと思います。具体的には日本人を日本人たらしめているところの(?)いわゆる“「甘え」の文化”が,果たして本当に世間で言われているように,日本人だけに特有なものかということです。
まずは私の体験から始めたいと思います。私はスイスに来る前に7年間ドイツに住んでいました。
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