特集 集団療法のダイナミズム―思春期・青年期の困難事例(第25回九州集団療法研究会より)
行為障害 A君への支援
保健所のコーディネイト機能を生かしたかかわり
占部 芳里
1
1元福岡県遠賀保健所
pp.39-43
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900638
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保健所がかかわった経緯
A君と初めて会ったのは,平成13年8月,7回目の入院であった管内のT病院を退院した直後でした。昼夜逆転している生活リズムを整えるため作業所に通いたいという希望で,母親が同伴して突然来所しました。A君は言葉や動作に対する特有のこだわりのため,落ち着いて座っていることができず,会話の了解も悪く,通所は難しいように感じました。また,入院していた病院からの情報が得られず,できれば訓練施設に親子で入所したいという母親の話だけではどういうサポートが適切なのか判断できず,正直たいへん戸惑いました。しかし,作業所長の判断で見学(試みの)通所をすることになり,不定期ながら数回通所しました。
その後,まもなく状態が悪化し,家族への暴言や暴力,ものを蹴り続ける,服を破るなどの強迫行為が続き,退院1か月後には家庭介護が困難となりました。入院歴がある病院には,外来受診はできるが入院は断られるということが続き,困り果てた母親からの相談を受けて,入院受け入れ先をいくつかあたり,やっと自宅から約30キロ離れた飯塚記念病院に医療保護入院しました。
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