連載 銭湯で鍛えたコミュニケーションは精神看護に活きる・6【最終回】
3時間の女
那須 祐子
1
1マーノ訪問看護ステーション
pp.538-539
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201355
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「3時間の女」と命名された30代の女性は、銭湯では有名だった。川向こうに新しく建ったマンションから橋を渡って、小さい男の子を自転車に乗せて銭湯に来る。当然、家に内風呂はついているだろうに。
たまに来るならわかるが、毎日だ。橋の上は風が強い。熱いお湯につかっても、冬は一瞬で湯冷めをしてしまう。それでもとにかく3時間は滞在するから、みんなはこっそり「3時間の女」と呼んでいた。
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