特別企画 いま産み育てる世代の感覚と対応
私と読書
女こそ,性意識の変革を—「女のからだ」を読んで
大関 ミヨ子
1
1神奈川県立平塚高等看護学院
pp.234-235
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205364
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私は性をめぐるさまざまな場面で,自分をも含めて,いつも,女たちには主体的であって欲しいと思ってきた。ことに出産の場においては,産み手が主体的であって欲しいと願ってきた。しかし,それらの場で主体的であるためには,女たちが自分の身体を知り,そして,自分の身体を支配し,責任をもって生きるために力となる知識を得ることが必要と思われる。
とかく今までは,性に対して,そして,女のからだに対して,多くの偏見と俗説の中で,女自身でさえ,自分の身体に目を向けることなく過ごしてきたように思われる。まして,日本においては,血は不浄なものとして,忌み嫌われてきた長い歴史から見ても,女のからだはいつも,薄暗がりの中に置かれてきた。ここ最近,性をめぐるさまざまなことが白日のもとにさらけだされてはきたが,それらは,多分に,興味本位であり,How toものであったりで,真に力となり得るものは極めて少ないと言える。ここに1冊の本を御紹介したい。
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