特集 身体を使った対話“演劇”がケアになる
【コラム】閉じていた何かが開く音—プレイバックシアターに出会ったある看護師のお話
前田 由紀
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1プレイバックユー
pp.486
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201343
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プレイバックシアターと私の出会いは2009年8月。その日、窓から見えた夏の空の青色を今でも覚えています。新卒看護師として精神科病院で5年働き、病棟よりも地域に近い支援と集団療法について学びたいと思い転職した先で、仕事の一環として出会いました。そのクリニックでのワークに、一般参加者として(緊急時には看護スタッフとして)その場にいました。とにかくすべてが初めての感覚でしたが、いまだにそれをうまく言語化できません。
それまでの私は、人の話や感情を「受け止めるだけ」が自分の存在意義で、「大切な人」の中に自分自身を入れてあげることができませんでした。いつも寂しく孤独な気持ちで、人ともっとつながりたいのに「結局人はひとりだ」と言い聞かせて人と関わっていました。そんな私を、ゆるゆると解けさせたのです。
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