コーヒーブレイク
オートバイに乗るなら口を閉じよ
Y. M.
pp.1068
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203207
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アメリカ合衆国での話.全く健康な22歳の青年が,ロサンジェルスの自動車道路をオートバイに乗って走っていた.突然,彼の口の中に,多分蜂と思われる虫が飛び込んで来て,軟口蓋にとまった.このフリーウェイ,途中で停めることもできず,とうとう1時間15分ほど走り通さなければならなかった.その間ヘルメットをかぶっていたが,前面の面被いを上にあげていたという.走り終わって彼は虫を吐き出したが,その頃からのどの後方に腫れて痛みを感じ始めたので,すぐに南カリフォルニア大学メジカルセンターの救急治療室にゆき,呼吸促迫とのどの腫れと痛みを訴えた.
その時の脈拍は92,呼吸数20,血圧150/74で,口蓋垂と軟口蓋が腫れており,小さい刺傷部がみられた.その後3時間,のどと口の腫れが進行し,そのため鼻管挿入が必要となって,さらにエピネフリン,デキサメサゾン,ベナドリル(抗ヒスタミン剤)の投与が行われた.腫れは急速に減少し,チューブを抜き,無事に青年は回復した.彼は子供の時に一度蜂に刺されたことがあったそうであるが,局所が腫れただけであったという.
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