連載 地域移行の時代に“避けて通れない” 「身体疾患」治療・ケアのパラダイムシフト・4
「身体合併症」って一括りにするのを、そろそろやめませんか
石田 琢人
1
1東京都立松沢病院内科
pp.426-430
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201328
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日本の「疾病構造」の変化—複数化
高齢化が進み、疾病構造はどんどん変化しています。一昔前まで、病院は急性期疾患(肺炎、虫垂炎、骨折など)で入院し、完治して退院するのが一般的でした。現在は高齢化が進んだことで複数の慢性疾患(がん、糖尿病、心不全、脳血管障害の後遺症など)を持つ患者さんが増え、入院中に完治せずに外来で治療継続するほうが一般的になっています。医療提供体制としては、地域生活で患者さんをみていくために複数の慢性疾患をバランスよく治療する視点が求められるため、プライマリ・ケア医、総合診療医のニーズが高まっています。
地域におけるケア提供体制に関しては、慢性疾患を抱えた患者さんが住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けられるような支援体制として、地域包括ケアシステムの構築が進められています。精神科領域における地域移行の現場で“にも包括”という言葉がよく使われますが、これは“精神障害にも対応した地域包括ケアシステム”の略です。
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