連載 声に出して読みたいオープンダイアローグ・3【最終回】
すべての声を大切にする/[コラム]看護教育で「読むOD」を導入してみました
大井 雄一
1,2,3
,
石橋 佐枝子
4
1しのだの森ホスピタル
2筑波大学社会精神保健学
3オープンダイアローグネットワークジャパン(ODNJP)
4敦賀市立看護大学 看護学部
pp.273-282
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201141
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「声に出して読みたいオープンダイアローグ」、略して「読むOD」第3回、最終回となる今回は、読むODの意義について考察したいと思います(前回は、このワークが作られた経緯をお伝えしました)。
第1回でご紹介したシナリオは何度か試行しながらブラッシュアップしていったものですが、シナリオを読むスタイルのロールプレイを行っていくうちに、参加者の方からいくつかの似た感想が寄せられることに気づきました。それは例えば、「私も過去に、自分の子が同じような状況で苦労した経験があったので、すごく共感してしまいました」「私にも娘がいるので、このお母さんには随分肩入れしてしまいました」といったものです。参加者自身の経験や立場と、シナリオ内でのロールとの間で起きる相互作用についての感想でした。なかには涙を流される方もいらっしゃいました。あらかじめ作られたシナリオをただ棒読みで読むだけのワークであるにもかかわらず、です。
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