特集 ゲームで広がる世界を知ろう
コラム:ユーザーからの声
吉成 健太朗
pp.982-984
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202219
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はじめに
ゲームをプレイする人は老若男女を問わない世の中になってきました.子どもが遊ぶというようなイメージはもう古いものになっているのではないでしょうか? その例に漏れず,障害があってもゲームをしたいと思う人たちも必ず存在しているのです.断言したのは,私がその一人だからです.
障害といってもさまざまですよね.目が見えない人や音が聞こえない人.運動機能に障害のある人もいます.
私は脊髄性筋萎縮症という病気があり,徐々に筋力が衰えています.先ほど最後に挙げた運動機能に問題があるわけです.とはいっても,私はゲームをすることは好きですし,どれだけ病気が進行してもゲームをやめるという選択肢を選ぶことはないと思います.
今では市販のコントローラーではゲームを遊ぶことはできないくらいには病気が進行していますが,さまざまな工夫をして環境をつくり上げています.それらの工夫は,主にコントローラー等を改良するハードウェアへのアプローチです.
それだけでも,格段にゲームは遊びやすくなりましたが,それだけでは,補うことができないことも存在しています.いくらコントローラーのボタンを問題なく押せる環境をつくり上げても,私自身の身体能力が上昇したわけではないので,押すことができるキー入力が劇的に増えることはありません.ですから,あまりにも早すぎるキー入力等を求められるゲームには苦戦を強いられることがあります.ゲーム性としてそのゲームに実装されたアクションが,時には大きな壁となって立ちはだかるのです.それらは,プレイヤーにはどうにもすることができません.そこで登場するのがゲームアクセシビリティというものです.
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