連載 精神疾患の「病態理解」にもとづいた看護・3
発達障害の人にどのように看護をするか
中村 創
1
1株式会社N・フィールド広報戦略部
pp.240-249
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201007
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
発達障害を知ることの意義
レビー小体認知症の当事者である樋口は「患者自身が読むことを想像すらしない専門家によって書かれた解説は、患者にとって凶器となります。希望も救いもない病気の解説が、そのまま患者自身のなかで確定してしまうからです」*1と述べています。自身がレビー小体型認知症と診断された際、それまでに読んでいた本やテレビなどで解説されている内容の通りの末路を自分がたどるのだ、と絶望した体験からこう考えるようになったのです。
樋口はさらに「脳の病気を持つ私たちは、私たちの内面で起こっていることを知らない人たちから一方的に付けられた症状名や解説に絶望し、翻弄され、居場所を奪われてきたのです」*2とも述べています。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.